(株)まちづくりとやま 代表取締役副社長 松井幹夫 あいさつ
今後の街づくりは、そこに住んでいる人からの発言を重要視していくことが大切です。そのために、私共では「まちづくり公房」というグループをつくり、市民の声を集める作業を事業のひとつとして実行しています。従来のような、上から言われた意見を拝聴する、というやりかたではなく、市民側の思いを反映させた街づくりで、富山を元気にしていきましょう。
まちづくり公房 会長 澤井淳一 あいさつ
私共「まちづくり公房」は一般市民という立場から、中心市街地の活性化と賑わいの創出を討論してまいりました。このフォーラムでも、みなさんから多くの指針をいただいて、これからの街づくりに生かしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
司会:それでは「薬の都富山」を全国に発信され、多くの観光客誘致に成功された「街なか観光」の先駆者(株)池田屋安兵衛商店、池田社長のセミナーを開催いたします。
ただいまご紹介いただきましたように、当社では、観光バスの誘致を始めて今年で丸10年がたちました。先ほど先駆者という身に余る紹介いただきましたが、まだまだ成功しているとは言い難い面もあります。
富山で観光施設と呼べるのはますの寿司の源さん、立山アルペン村さんではないでしょうか。集客が20〜30万人になっていないと、経費面からも観光施設として機能しません。
当社の場合、去年で10万人ですので、まだまだこれから課題がたくさんあると思います。
私共はNPO法人である「富山観光創造会議」に参加しています。この活動のひとつとしては、地域の商店などが「まちの駅」をつくり、観光客の利便性を図るということをやっています。
「まちの駅」とは地域情報を提供する機能を備えた施設のことです。
トイレ、休憩場所も提供するほか、 観光情報などに詳しい案内人を常駐させ、観光客や買い物客の問い合わせに応じています。
これはお金をかけずに誰にでも始められる事業です。
たとえば長岡では、新幹線の開通が早く、それに伴い市街地の空洞化が他の都市より早く進みました。
そこで長岡市民センターでは、デパートの空き店舗を利用して「まちの駅」を始めました。これはほとんどお金をかけず、手作りで学習室や育児所が備えられています。
玄関先でははっぴを着たおじさんが元気に出迎え、親切な観光案内をしてくれます。
人が主役という「まちの駅」の趣旨のとおり、運営のほとんどがボランティアで支えられており、なんと地元の高校生が無償で働いていたりします。
福岡県の例では、2,800円で「まちの駅」をつくりました。
ドライブに行きたくなるような自然豊かな場所ですが、観光協会が主催し、「まちの駅」ののぼりと観光パンフレットを入れる箱を設置しました。ここでも人が主役となり、様々な観光客のもてなしをして成功しています。
富山の「まちの駅」は、当社の「くすりの駅」、島川あめ店さんの「あめの駅」そして最近参加していただいた月世界本舗さん、酒のとよたさんと4ヶ所となり、市内では6ヶ所になりました。このような点と点を結ぶことで面をつくり、観光サービスの向上やイベントによる相乗効果をはかりたいと考えています。
全国には「福祉の駅」「陶の駅」「ビールの駅」「どらやきの駅」「学びの駅」「犬の広場の駅」「紙の駅」「おもちゃの駅」、24時間営業の「いつでもよか駅」など実に大変にたくさんの人がユニークな名前をつけて取り組んでいらっしゃいます。
この方々とも連携をとり、さらに発展させていくことができるのではないでしょうか。
当社がなぜこの「まちの駅」をはじめたかと申しますと、実はこの堤町にある本店が昭和50年代にがらがらになってしまったからなのです。
なぜがらがらになってしまったのか。
昭和21年に建てたこの本店では当初、店先で調剤をしていたのですが、その後の薬事法改正でそれができなくなってしまったのです。さらに車社会になったことで搬入搬出がしづらくなり、手狭でもあったこと等で問屋機能や卸し業務、更に工場も郊外に移しました。そうすると、この本店には誰も来なくなったのです。どうしたものかと考えあぐねた末、観光をやってみようと考えたわけです。
やはり当初は非常に不安でした。しかし先人たちが築いてくれた300年の薬の歴史はすばらしく、富山の薬売りを懐かしがって多くの人が興味を持ってくださいました。その昔、富山から全国へ行っていた売薬業者ですが、今度は逆に全国から集まって来ていただき大変うれしく思います。
私どもは越中反魂丹という薬を売っていますが、同時に歴史の語り部としてもやっていこうと考えています。
昨年、隣のビルを持つことができ、ここを物産館にしました。
まず観光客のために考えたことはトイレです。バスで一度にたくさん来店されるので充実された設備のある広いトイレをつくりました。
物産館での販売商品は富山県産のものを置いています。
また「まちの駅」としてのインフォメーションの充実や、「レンタルサイクル」などの事業にも参加しています。
近隣には仲間の「まちの駅」も多数できて、皆で協力していきたいと思っています。
新しく参加された酒のとよたさん、観光客の方が大勢来店される月世界本舗さん、そして島川あめ店さんとは、昔は薬を練るときに水飴を使っていたことで深いお付き合いがあります。
このような近隣の方々と手を組みいっしょに繁栄していかないと、当社の存在もありえません。
これからはこの「財産」、それは「人」であり、「地域の協力」であり、また街から立山連峰を望めるこの「景観」も「富山の財産」として考え観光に力をそそいで行きたいと思います。
どうもご清聴ありがとうございました。
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